働く人たちの幸せを追求していきたい
中川 育江さん面談可宮崎市
人事異動で労働組合へ異動。まったく知らなかった世界で、労働の現状を知り、自分自身のキャリアや働く人の権利について取り組み、連合で九州初の女性執行委員に就任。さまざまな意見反映や提言実現に尽力しながら働く人たちの幸せを追求しています。
延岡学園高校ソフトボール部で4番ピッチャー。旭化成株式会社へソフトボール採用で入社。日々ソフトボールの練習に明け暮れ、1979年の宮崎国体でみごとチームを優勝に導くことができました。
それから数年たったある日、会議室に呼ばれ労働組合への異動を言い渡されますが、この時は、労働組合に関心も無く、それが何かもほとんど知りませんでした。
職種が違う多くの女性と出会い、働くことの尊さ、厳しさ、喜びなど強烈な刺激を受けました。少しずつ自分がすべきことに気付き始める中、改正男女雇用機会均等法の気運も高まっていたこともあり、まずは自分自身のキャリアアップをと、旭化成の総合職試験へのチャレンジを決めました。試験は、労働法、民法、商法など。勉強は大変苦労しましたが、今では職務の基礎となっています。
組合活動の中で関わった連合宮崎の女性委員会では、男女平等の職場・社会づくりへ向けて、フォーラムの開催や、働く女性の立場・視点から県への提言などを行い、女性外来設置など実現させることができました。
総合職になってからは、当時、女性の労働組合への役員登用が進められていたこともあり、勤務地限定の働き方から、宮崎、大阪(旭化成労働組合の上部組織)での勤務を経験することになりました。中でも大阪では貴重な経験をするとともに、改めて故郷宮崎のよさを実感しました。組織から出た経験により、働き続けていく原動力を養えたと思っています。
2002年11月、連合宮崎初の女性常勤役員に就任。当時、労働、組織、総務、人権、政策、男女平等を担当し、“すべての働く者の連帯でともに働き暮らす社会をつくろう”をスローガンに労働を中心とする福祉型社会の実現にむけて奮闘。
具体的には、県に対する要求提言活動や、組織内教育、労働相談、地域協議会への参画。審議会等委員として、働く女性の立場から現状等を報告等。また、県内外の学習会や団体からの依頼を受けての講演活動は、たくさんの方々との出会いがあり、勇気づけられ元気をもらいました。
役員になってからは、意思決定機関にいるため、自分自身が企画・立案していくことが現実として形になることを体感し、このような場にたくさんの女性が参画できるようになればと願っています。
感じているのは、「労働組合」を説明するとき、ついつい難しく受け取られがちです。たとえば“ベースアップ”(基準賃金の引き上げ)を“ベア”と略して話した時に“クマ”がどうしたのですか?と言われたことも。いかにわかりやすく話していくかが問われていると痛感し工夫していきたいところです。
また、働く女性や審議会へチャレンジする女性が増えており、生活のために働くということに加えて、キャリアアップや自己実現への意識と意欲を感じます。サポーターからプレイヤーにと大きく変わってきた女性たちと一緒にさらなる取り組みにチャレンジしています。
連合宮崎では、『ストップTHE格差社会!すべての働く者の連帯で「安心社会」を切り拓こう!』をスローガンに、男女平等社会の実現に向けた平等参画の強化や働くことを軸とする安心社会の構築に向けた政策・制度の実現等に向けて活動を展開中です。
今後は、「みやざき元気!地産地消県民運動の取り組み」「水環境を考える街頭キャンペーン」等新しい活動にも取り組む予定です。
女性が働くことが福祉の一環としてとらえられていた時代から、先輩方や多くの方々の努力によって男女雇用機会均等法の制定など法律改正が進みました。一方、女性比率が高い非正規労働者の増加、不安定な雇用条件や長時間労働、仕事と家庭の両立等、女性をとりまく環境は厳しい状況です。
「ワーク・ライフ・バランス」・「コミュニケーション」がキーワードだと思っています。先ずは自分自身が、できることから仕事と生活の調和に取り組んでいきます。
あらゆる分野で女性進出が進んでいます。働く上での労働法関連の法律改正(労働基準法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パートタイム労働法、最低賃金法など)も進んでいます。是非とも法律の制度を知り、行使し、行政機関等を活用していただき、職場で地域で家庭でその能力、感性を十分に発揮して働き続けてほしいと願います。
女性が抱える悩みや課題は男性の悩み、課題でもあり社会全体の問題です。課題解決のためには、自らが、積極的に参加・参画していくことが重要です。一歩、一歩前へ進んでいきましょう。
この方と直接会って、経験談やアドバイスを聞くことができます。