女性医師の活躍できる環境づくりとよりよい地域づくりをめざして
都城市
小児科医として医療分野をはじめ、様々な分野で委員や会長、理事等を歴任するなど、審議会等政策決定の場へ積極的に参画し、女性の社会参画の促進を進めています。
特定非営利活動法人みやざき男女共同参画推進機構の理事長として、宮崎県の男女共同参画社会づくりの推進に大きく寄与した功績が認められ、平成16年に内閣官房長官より男女共同参画社会づくり功労者表彰を受けました。
女性初の市郡医師会長や日本医師会の常任理事にも就任、女性の医師が活躍できる環境づくりをはじめ、よりよい社会づくりなどに活動を続けています。
医師の家庭に生まれたので、自然な形で医者になりました。国立大学に女性が1人か2人しか合格しない時代だったこともあり、父親から女子医大を薦められましたが、「なぜ女性だから女子医大に行かなくてはならないのか」と父の出身大学である熊本大学に進み、医師を目指しました。
医師になってからは、医師会の役員他、たくさんの役職を歴任。患者さんや自分の医療機関だけに目を向けるのではなく、社会とつながる分野に目を向ける事も大切だと思い、役職を引き受けるようになりました。
医師として使命感を持って続けてきました。女性だからできませんというようなことはなかったです。男性と同等にやらなければ遅れをとる事もあるし、研究でも遅れないように出来る限り、当直でもなんでもこなしました。世間は女性とか男性という目で見ていたのかもしれませんが自分自身は意識しなかったです。
最近は医学部の女子学生も4割近くいることから、女性の医師が働きやすい環境作りが進められています。 日本医師会女性医師懇談会では、結婚・出産・育児で職場を離れていく女性の医師達に現場復帰してもらうために、女性を取り巻く環境改善として、託児所の設置や女性医師バンク制度を作る事を実現しました。
ワークシェアリングのような形で数時間でも仕事をする事が普通になってくれば、医療現場も変わってくるのではないか、また、女性の医師に現場復帰してもらうことは男性医師の過重労働の軽減にもつながるなど、働き方の多様性等、工夫していけばかなり改善が進むのではないかと考えています。
一方で、女性の意識の改革も大変重要と考えています。男女共同参画といわれながら、せっかく医師の資格を持っていても経済的に豊かであれば、仕事はしなくていいというような考えが出てくる人も少なからずいます。そういう甘えの構造が女性医師に対する批判につながるので、そこをもっとしっかり考え、モチベーションを持ち続けてほしいと思っています。
平成26年4月に「道づくりを考える都城広域女性の会」を設立、会長に就任。女性が自らの意志に基づいて、都城市~志布志道路の早期完成など道づくりやまちづくりの必要性・重要性を考え行動する会です。県や国などの機関への陳情、要望活動、視察などの活動をしています。
地域社会の発展の一翼を担うためにも男女関係なく一緒に汗をかかなければ・・と精力的に取り組んでいます。
私は医師(小児科医)でありますが、これからは少子化に伴い小児医療のあり様も変わってくると思われます。現在のコンビニ医療から予防重視の小児医療へ、量から質へ、そして子どもの環境を良くし、子どもの権利を尊重出来るよう健康支援、育児支援、障害児の地域生活支援などを連携させながら実践していく。つまり、胎児期から成人になるまで、子どもやその家族を医療・保健・心理の面から支えていく、いわゆる成育医療を目指す方向に行けたらと思っています。
これまで医師会役員他たくさんの役職に就いてきましたが、今後は出処進退を明らかにして若い人に頑張ってもらいたいと考えています。後輩の方々には是非医師会の発展のために、自分の職業は勿論ですが頑張ってもらいたいと思っています。
いろいろな役職を退いた後は、「食」に関することや、自分に残された仕事をまた原点に返ってやっていきたいと思っています。
今後も地域のお手伝いができれば、お役に立ちたいと思っています。
妊娠、出産、育児、家事労働について考えた上で、男性にも意識改革をしていただいて(最近は男性も変わってきてはおりますが)、活躍していかれることを期待したい。
都城北諸県郡医師会 顧問
道づくりを考える都城広域女性の会 会長
空手は三段の腕前