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Think globally, Act locally. (地球規模で考え、地域で行動する)

黒田 奈々さん面談可
宮崎市議会 議員

熊本県出身。熊本大学理学部に入学、大学院理学研究科では地球科学を専攻した。修了後、三重県のベンチャー企業に入社。結婚を機に宮崎市に移住。ハローワークで子育て支援のNPO法人の仕事を見つけたことをきっかけに、子育て支援活動を20年以上続けた。大学非常勤講師や気象キャスターなどを経て、2022年に参議院議員選挙に立候補。落選するも2023年、宮崎市議会議員に当選。約10年前から宮崎市高岡町和石(よれし)地区と宮崎市赤江地域との二拠点生活。

現在の活動を始めた経緯を教えてください。

地元の熊本大学で地球科学を専攻し、大学院修了後、就職したコンピュータ関連会社では企画、営業、メールマガジンやwebサイトの作成など仕事漬けの日々を送っていました。結婚を機に宮崎に移住し、しばらくは専業主婦をしていました。夫に「仕事をしたら」と勧められて始めたNPO法人の仕事から、20年以上、子育て支援の活動をしてきました。子育て中のお母さんたちのグループでお話をお聞きし、あらゆる社会課題にジェンダーの問題が関わっていることに気づきを得たのもこの頃です。

2004年にNPO法人ドロップインセンターを設立し、副理事長に就任。2006年に産業カウンセラーの資格も取りました。8年かけて気象予報士の資格を取った直後に、ニュース番組の気象キャスターの募集を見て受けることにしました。キャスターになってからは時間が取れず、調停委員や理事長職などを下りることにしました。そこで感じたのは、人は育つということ。私が辞めてからは後任の役員がしっかり引き継いでくれています。いい機会だったと思います。何かを失えば何かが得られる。何かが欲しいときは何かを手放す。これが私の根っこになっています。

ある日、多くの活動を一緒にしていた県議の方から「参院選に出ませんか?」と打診されました。私はそれまで、市施設の指定管理者などを担当し、多くの審議会委員も務め、社会課題や思いなど積極的に発言していました。言うだけでなく政治を変えていけばいいのだな、これはチャンスかもしれないと思ったのです。それまで政治家を目指す人の背中も押してきました。だったら自分もとその場で決めました。夫もそう驚くことなく、「がんばればいいよ」というスタンスでした。参院選には落選しましたが、高額な供託金など、選挙出馬へのハードルの高さを身をもって知ることができました。現在は宮崎市議会議員になり、在住している高岡町和石(よれし)地区などの暮らしや女性の生きづらさについて市議会で訴えることができる。やりがいのある仕事だと感じています。

  • 1999年 熊本大学大学院理学研究科修了(地球科学専攻)
  • 2000~2001年 コンピュータ関連企業に勤務 
  • 2002~2004年 NPO法人みやざき子ども文化センターに勤務
  • 2004年     NPO法人ドロップインセンター設立 副理事長就任
  • 2013~2019年 NPO法人ドロップインセンター 理事長
  • 2014~2018年 宮崎公立大学 非常勤講師(「子育てと福祉」担当)
  • 2016年    約8年間の挑戦を経て気象予報士試験に合格
  • 2017~2022年 NHK宮崎放送局 気象キャスター
  • 2020年1月  狩猟免許(罠猟)取得
  • 2022年7月  参議院議員選挙に立候補
  • 2023年5月~ 宮崎市議会議員

現在の活動の内容を教えてください。

宮崎市議会では現在(2025年3月)、文教民生委員会に所属し、副委員長を務めています。教育、健康、福祉、子育てなどの分野の事業予算について審査をします。「もっとこんな人にも届くようにするには?」「事業の効果を高めるために、こんな工夫を」という意見をまとめて報告をすることもあります。

特に私が訴えているのは、ジェンダーの主流化です。市のあらゆる政策にジェンダーの視点を通すことの必要性を感じています。若者回復率というデータに注目しています。兵庫県豊岡市はジェンダーギャップ解消に積極的なまちです。原動力になったのが若者回復率。豊岡市が提唱して独自に計算して数値を出しています。2015年~2020年の10代から20代の若者回復率は(10代で流出した人口に対し、20代で流入した人口比)男性41.6%、女性は28.5%。男性に比べて20代で帰ってきた女性は少ないということです。そこで豊岡市はジェンダーギャップ解消に向けた施策を始めています。宮崎市でもデータを出してもらいました。男性34.5%、女性-7.7%。マイナスです。一例ですが、宮崎市の市役所職員の人材育成基本方針会議に男女共同参画の担当課である文化・市民活動課が現在は入っていませんが、まず入れることからではないか。すべての施策にジェンダーの視点を横串のように入れることを宮崎市でも実現させていけるよう動いています。

高岡町和石での暮らしの中で、感じることや気づきはありますか?

和石に住み始めたのは10年ほど前です。森づくりのボランティア活動をする中で、和石地区が高齢化で草刈りができない、希少植物がたくさん残っている地域で、そのために草刈りをしないといけないと聞きました。年4回ほど草刈りボランティアに通っていました。イノシシが出ると聞き、猟師免許のある夫が罠をかけよう、週1で来るなら田んぼや畑を借りたい、「空き家も貸せるよ」ということになって二拠点生活を続けていました。

あるとき、近所のおばあちゃんが倒れ、救急車を呼びました。結局、27分かかりました。宮崎市の救急車の現場到着平均所要時間は10.3分です(令和4年度)。その後、AED設置場所を調べたら、一番近いところで20分かかることが分かりました。公民館に設置しないといけない、地区の誰でも使えるようにしないといけないと感じ、一般質問で配置してほしいと伝えました。変えられることは変えていきたい。暮らして初めて分かることがあります。議員の仕事にやりがいを感じています。

今は、高岡地域にプレーパークを作りたいと思っています。高岡は市内で唯一、児童館がないのです。子どもたちの放課後の居場所がない。旧穆佐小学校の裏山をプレーパークにしたらいいのではないかと考えています。私の議会だよりを読んで連絡をくれた保護者が、プレーパークのことを進めてくれています。活動に加わってくださったメンバーが議会傍聴にも来てくれました。今後は子どもたちが意見を表明する機会、「子ども会議」で決めていきたいと考えています。

政治に女性が参画することの重要性について、どのように感じていますか?

当選時には、議員名簿を作成します。住所も番地まで掲載されインターネットで公開されていました。女性や初当選の方々から「これって全部載せないといけないんですか?」という意見が出ました。これまではそうだったのですが、載せたくない人は番地までは載せないということになりました。公開しないでよくなったのは、新たな視点があったからです。安心して議員活動を続けるためにもプライバシーを大切にしたいと感じた出来事でした。

女性でも、多様な生き方があります。いろんな方の声があるといいと感じます。今、宮崎市議会における女性議員の割合は2割です。数が増えないと多様性が担保できないと思います。まず高額な供託金。多額の費用が必要となることで出馬できないのはおかしいと思います。開かれているように見えても、入口で選別されているのと同じです。政治には多様な声が反映されることが大切。政治に関心がある人、女性の政治参画をスムーズにしていきたいと思います。

これから社会に参画される女性の皆さんへのメッセージ

あなたが好きなこと・得意なことを、自信を持って表現してください。あなたに足りないもの・苦手なことは、それが好きで得意な誰かに補ってもらうことで、お互いの強みが何倍にも発揮できます。
そして、できるだけ自分がいつも「ごきげん」でいられるように工夫しましょう。「ごきげん」でいることは周りによい影響を及ぼし、またあなたにとってもよい影響となって返ってきます。

宮崎市議会
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