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大人のための絵本の読み聞かせで「目の前の人を笑顔に」

松田 朝子さん面談可
絵本セラピスト協会 認定絵本セラピスト®

熊本大学を卒業後、宮崎県教育庁に入庁。国語科教諭として日南高校に赴任し、県立高等学校や中等教育学校、特別支援学校の8校を経験。その間、教頭を3年、校長を6年務めた。
教育職在職時には、進路指導主事、保健主事等を経験した。また、県立延岡ととろ聴覚支援学校では校長として閉校業務にも携わり、同時に県立延岡しろやま支援学校の開校業務にも携わった。2012年に退職。同年から2017年に門川町立図書館長を務め、図書館の利用促進やボランティア活動の活発化に尽力。2013年に司書資格を取得した。2019年、絵本セラピスト協会認定絵本セラピスト®の資格を取得。現在は、延岡市のエンクロスでの「絵本のへやでひとやすみ~大人のための絵本セラピー®~」ほか音楽とのコラボイベント、高校や大学での授業及び子育て世代への講演等も行っている。

高校の国語教諭を長く続けられ、管理職に就かれていました。教師になったきっかけや管理職としてのやりがいについて教えてください。

私は長年学校に勤務していましたが、小学校1、2年生の頃、登校拒否児でした。共働きだった母は大変だったと思います。その経験から、子どもたちは誰かの支えがあれば、いつかどこかで自分の力をつけていけると信じています。私自身は中学生のときに部活動で合唱を始め、そこで、みんなで何かをやるという楽しさを教えてもらいました。高校ではステキな先輩や人生を示唆してくださる先生に出会いました。それで、結果として高校の教員になりました。

管理職として印象に残っているのは、校長として赴任した県立延岡ととろ聴覚支援学校のことです。特別支援学校は初めてでしたから、特別支援教育について学び、さらに最後の校長として閉校と新設校の開校準備を経験しました。当該校の歴史は長く、閉校には反対の声も多くありました。子どもたち、保護者、職員のためにも、どうすればより良い形で移行できるのか、一人ひとりと話し、気持ちを聞きながら協議を重ねました。子どもたちへの説明は、手話ができる職員と一緒に。そして紙芝居でも話をしました。校長だったからこそ、学校内外の皆さんの声を聞き、一緒に考えていくことができたと感じています。苦しいことも多々ありましたが、子どもたちや保護者のために職員配置にも心を砕き、新しい学校の環境整備のために、職員と一緒に取り組めたことが私にとっての喜びでした。

  • 1973年 宮崎県立高鍋高等学校普通科卒業
  • 1977年 熊本大学法文学部文科国語国文学専攻卒業
  • 1977年 宮崎県教育庁入庁(県立学校国語科教諭)
  • 2006年 宮崎県県立学校教頭(宮崎県立高千穂高等学校、宮崎県立都城商業高等学校)
  • 2009年 宮崎県県立学校校長(延岡ととろ聴覚支援学校、宮崎県立門川高等学校)
  • 2012年 宮崎県教育庁退職
  • 2012年 門川町立図書館館長
  • 2017年 門川町立図書館退職
  • 2019年 絵本セラピスト協会認定 絵本セラピスト®資格取得

絵本セラピー®に出会ったきっかけと内容について詳しく教えてください。

学校や図書館での勤務経験から、それぞれの場で周囲の方々の支援や学びがあり、悩みつつもやりがいを感じながら仕事をすることができたことに感謝しています。5年ほど前、仕事や職場の悩みでストレスを感じていたときに「絵本セラピー®(大人を対象とした絵本の読み聞かせとワークショップ)」に出会いました。絵本には以前から興味を持っていましたが、絵本の奥深さに気づき、さらに絵本につながる人々との交流によって、私自身が絵本セラピスト®として活動したいと思ったことがきっかけです。養成講座を受講して資格を取得し、当時の仕事を辞めて活動を開始しました。

「絵本セラピー®」は、子どもではなく大人を対象とした絵本の読み聞かせとワークショップです。「大人のための参加型絵本の読み聞かせ」という表現をする仲間もいます。テーマに沿って絵本セラピストが絵本を選書し、読み聞かせをします。参加者は絵本セラピストが準備した質問に回答し、それをグループワークの中でシェアします(その際、安心安全な場となるようにすることが前提条件です)。絵本とグループワークを通して、参加者は気づきや癒しを得ながら、これまでの自分自身を受容したうえで、自ら解決に向かおうという気持ちになります。

教職員として生活や子育ての両立は、どうされていましたか?

初任校で、3人の娘を出産しました。娘たちが幼い頃はベテランの個人の方に昼間の世話をお願いし、その後は周囲の方々の援助を受けながら、無我夢中で子育ての期間を過ごしてきました。夫や双方の父母、そして同僚や友人たちのおかげだと、今更ながら感謝しています。

三女から「お母さんが働いていないのは想像できない。だから私も働きたい」と言われたことがあります。私自身は母親として反省することも多いのですが、娘たちは受け入れてくれていたのかなと思います。

私が絵本を好きだったことは、娘たちが思い出させてくれました。娘たちへの読み聞かせは、時々疲れて早口になっていたこともあると思います。子どもは何度も同じ絵本を読んでもらいたがって大変ですよね。だから今、お母さんたちには「子どもがもう1回、もう1回ってねだってくるのは、お母さんの読み聞かせが大好きということだから」と話しています。

今また、高校で授業をされているそうですね。

門川高校で保育の授業を手伝わせていただいています。生徒たちが自分の読みたい絵本を選んで、読み聞かせの練習をします。最終的には近隣の幼稚園や保育園、小学校に行って読み聞かせをします。コロナ禍でこれまで実践できなかったのですが、ようやく、高校生と小学校で読み聞かせをすることができました。小学生はもちろんですが、高校生もとびっきりの笑顔でした。

高校生は様々な悩みを抱えた難しい年ごろでもありますし、なかなか難しい授業です。でも「読みたくない」と言っていた子が、一生懸命、何とか読む。その経験が自分への信頼になっていくと感じています。彼らもいつか子どもを持つかもしれない。その時、一緒に絵本を読むことによってお互いの心をつなぎ、さまざまなことを伝えていってほしいと期待して続けています。どの高校でもぜひどこかで絵本の読み聞かせを取り入れてほしいと思っています。それから、大変な状況の先生方にも絵本でほっこりしてほしいですね。

これから社会に参画される女性の皆さんへのメッセージ

あなたが活躍できる場はたくさんあります。あなた自身を大切にし、可能性にチャレンジしてください。ただ、心と体を大切にすることを忘れないで。

絵本セラピスト協会
  • 延岡市
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