少しずつ、目の前の自分にできることを積み重ねる。そして自分を信じて前へ進む。
大学卒業後、土木設計会社で製図・開発を行い、結婚を機に退職。
長男が1歳になってから仕事に復帰し、技術移転機関で経理や技術移転の仕事を担当。その後、大学知財部門や特許事務所で知財に関する仕事をすることになった。
職場環境に恵まれ、貴重な経験ができたことに感謝し、独立後も子育てをしながら仕事を続けている。
私が弁理士という職業を知ったのは、29歳のときでした。声を掛けていただいて大学の技術を企業に移転する機関で仕事をすることになり、その時に知的財産の存在や重要性を初めて知りました。大学知財部門に配属され、そこでは先生方の発明に関して、特許性があるかどうか、特許出願をするかどうかなどの相談を受けていました。それをきっかけに専門的な知識を身に着けたいという気持ちが強くなり、弁理士を目指しました。法律を学び実務を重ねるにつれ、弁理士への夢は膨らむ一方でしたが、そう簡単にはいかず、子育てをしながら、合格までは何年もかかりました。
今は弁理士として活動しておりますが、奥が深く、自己研鑽の毎日です。新しい発明やデザインに触れ、クリエイティブな活動をサポートさせていただくこのお仕事にとても魅力を感じております。ちなみに、弁理士は全国で約12,000人おり、女性は16%です。
特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権を取得したい方のために、代理して特許庁への手続きを行うのが弁理士の主な仕事です。発明者等によって創作されたアイデアや創作物は無形資産です。有形資産と異なり、簡単にかつ多くの人に真似されてしまうという特徴があります。弁理士は才能のある方々から生み出された創作物をベストな状態で権利化する、そしてその権利をお護りするお仕事です。創作物が完成するまでのさまざまな苦労や思いを受け止め、権利化やその後の権利維持活用については最善を尽くします。
権利化一つにおいても、どのような権利でどの範囲で権利化するか、あるいは出願せずに秘密として保持しておくか等、相談に応じて最善の対応をご提案させていただいています。企業の開発事業の方向性をご提案したり、リスクマネジメントの観点から長年使用された商標や技術の変更を勧めたりなど、事業を大きく左右する判断をしなくてはならないこともありますので、責任は重大です。常に相談者の立場にたち、全力でかつ丁寧に対応しています。最終的なご判断は相談者になりますので、その他の方法や対策なども含めて分かり易く説明するよう心がけています。
一番大事にしているのは家庭です。子どもが一番の宝物です。大切な子どもの存在を尊重したうえで、自分のスタイルで仕事をすることができる。それはとても素敵なことですし、プライベートも充実します。今の資格のおかげでそれが実現できていると考えます。自分の仕事を好きになり、大切にすること、また、そのことが誰かの役に立ち喜んでいただける。これ以上嬉しいことはないと思います。
特に子どもの体調が急変したときや残業時、夫と出張が重なったときなど、近くの両親や義母に何度も助けてもらいました。夫は、長く子どもたちの部活動の世話をしてくれました。家庭を大切にしながらも、仕事は続けたいと思っていました。そのためにどうしても資格を取りたいと思っていました。自宅だと眠くなってしまうので、深夜のファミレスで試験勉強をしたこともあります。家族の支えに感謝しています。
また、職場の方々からも気遣いをいただき、就労環境には大変恵まれました。子育てなどを温かくサポートしてくれる環境がなければ、仕事と家庭の両立は難しかったと思います。
女性は出産・育児・介護等で仕事との両立が難しいと考えることもあると思います。やむを得ず仕事を辞めるという選択をしても、資格があれば再就職時に有利ですし、独立して自分のスタイルで働くことができるので、資格取得はとても意義があることと思います。興味のある方はぜひ挑戦していただきたいですし、そのために何か少しでもお役に立てれば嬉しいです。
自分の興味のある分野の知識を身に着けて資格を取得すれば、就職活動や転職時に有利にはたらくだけでなく、資格取得にかけた時間や努力は自信につながります。自分を信じて挑戦し続けることが大事です。挑戦には必ず苦労がつきまといますが、得られるものも大きいと思います。
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