当時は義父母が経営をしていて、夫は工場担当。近くの百貨店のテナントにも入っていました。百貨店が閉店することになって、パートさんを雇い続けるのは難しいという話が出ていました。そこで私は「じゃあ、給料が出せるように売り上げを上げればいいですね」と言って、お惣菜の種類を増やしたり、手土産用の紙袋やカタログ作りを始めたのです。経営はド素人でしたから、思い立ったらすぐに行動してしまい、周りはハラハラしていたと思います。

若いお客さんを増やしたいという気持ちもあったので、スタッフの制服も見直しました。当時は白衣を着て、頭にはピンクの三角巾。昔ながらのお肉屋さんというイメージの制服ではなく、おしゃれな制服に変更し、内装も明るい雰囲気に変えました。

お惣菜は当初、ハンバーグとコロッケでしたが、どんどん増やしてメンチカツやはさみ揚げ、野菜巻きなど25種類ほどになっています。同じ職場で5人分以上の注文をいただければ配達サービスもしています。私は異業種からこの世界に入ったので、とにかく新たな目線で「こうだったらいいな」ということを形にしてきました。自分の子どもに食べさせたいものを念頭に、国産の野菜にカロリーオフの油、窯で焼いた香りのいいパン粉と材料にこだわっています。

• 1992年　県立都城西高校卒業
• 1995年　平松学園　視能訓練士専門学校卒業
• 1995年　眼科病院入社
• 1999年～　福島精肉店

スタッフの皆さんには、せっかく働くなら楽しくいてほしいと思い、助け合いながら長く働けるようにと考えてきました。
自分が子供を持ってみたら、運動会や参観日など、どの子のイベントにも行きたいわけです。夫と手分けしながら保育園や学校の役員も引き受けました。その時の仲間、保護者や先生は今でも財産。「やってよかった」と思っています。経営者だから私は許されて、スタッフは思うようにできないというのはイヤだと思いました。
経営が大変になったとしても、必要な休みが取れて、その分、誰かがカバーできるような体制を作ってきました。運動会も参観日も快く「行っておいで」と言えます。「役員もやった方がいいよ」と言っています。

働くのはもちろん生活のためではあるのですが、楽しみを持って働いてほしいと思っています。コンサートでも楽しんでもらいたい。趣味など用事がある時は、早めに届け出てもらえればシフト調整によって、遠慮せず休みをとることができます。ここまでに10年以上かかりましたが、ようやく、実現できるようになりました。

長く働き続けてくれるスタッフが多いことは、お店の信頼、安心感にもつながります。それぞれのスタッフにお客さんが付いていて、「いつ行っても笑顔がいいね」と言っていただけるのは嬉しいですね。

人との縁が財産だと思っていて、地域でお誘いを受けたことは、今の自分にとって必然なのだろうなと感じています。今、都城中央ロータリークラブと中小企業同友会に所属しています。
ロータリークラブは、職業奉仕を行い、奨学金制度なども整えている団体です。ロータリークラブは元々、男性会員のみの組織だったこともあり、女性会員はまだまだ少ない状況です。女性が増えていくことで、活性化する面があると感じています。

中小企業家同友会は、若い経営者も多く、入会前は「試行錯誤しながら自分なりにやってきたので、ある程度、学び終えているかな」と思いお断りしたこともありました。「成功したこと、失敗したことを若い経営者と共有してほしい」ということで入会したところ、私が学ぶことがとても多くて。年齢層も幅広く、共に学び合っています。
これからも、どんなに忙しくなっても、ご縁をいただいた人、事との出会いを大切にしていきたいと思っています。

娘の振袖をお願いに行ったとき、着物店の方から「チャレンジしてみたら」とMrs.Japan pageantという大会を紹介されました。女性活躍、地域創生の趣旨に共感して、チャレンジすることにしました。でも本当は人前で話すのが苦手、身長が高いことにコンプレックスを感じていました。出場者がかっこよく歩く場面を見たり、食生活や体づくりのことを聞いたりして、内面磨きのつもりで出場しました。1年目、私は全国大会まで進めずに終わりました。周りの方を見ているうちに、全国大会出場者が持つティアラがないことが悔しくて、2年目もチャレンジすることに決めました。優勝は逃してしまいましたが、とても貴重な経験だったと思います。

実は4年前に心肺停止を経験して、一時は後遺症が残るかもしれないと言われました。そのとき、「神様はなぜ私を生かしたのだろう」と考えました。
今、美腸フードアドバイザーの勉強をしています。「食」を仕事にしている者として、食を通して幸せを伝えること。Pageantでは、立ち方や歩き方で肩こりがなくなりました。そういう経験も伝えたい。明日が絶対に来るとは限らないのです。だから、まずはやってみる！そこからまた、新たな自分に出会え、可能性が広がると信じています。

何をするにも、いつまでにこうなりたいという目標をしっかり持つこと。それだけで意識も変わるし、頑張れます。
まずは、今の自分を知ること。そこからなりたい私に向かっていけば素晴らしい未来が待っていますよ！