幼少期に住んでいた地域に、ニュージーランドからホームステイの留学生がいて、週末に近所の子どもたちを呼んで交流会に参加したことで、英語が話せたらもっと楽しいと思ったことと、世界中で日本語がメインになる時代はおそらく来ないだろうから、英語を勉強したらまた次につながっていくと思ったことがきっかけでした。
いつも父からは「縛られなくてもいいから、自分で責任を取り行動しなさい」と言われていました。ちょうど給付型奨学金制度の募集をしている大学があったので申込みをすることにしました。

私が小学生の頃、同じクラスの手助けが必要な生徒が隣の席でした。あの頃に、特別支援やスクールサポートの制度が整っていれば、その生徒は、もう少し楽に生きていけたのではないかと感じています。教育関係の仕事に就きたいと思っていた頃、留学経験者から海外の教育現場の話を聞き、「行って学んでみると新しいことが見えてくるのでは」とアドバイスされ、幼児教育をイギリスで学ぶことにしました。
学部に入るためには語学力が必要で、ある程度準備してから行ったものの、専門用語になるととても苦労しました。
イギリスの教育学部では毎週2日は必ず実習があり、乳児園から小学校、スペシャルニーズという障がいを持つ子どもたちのところで学びます。実習の中から自分の専門を見つけて、支援先や給食ボランティアに自主的に参加させてもらいました。

卒業後は、宮崎の英語で保育をする幼稚園に就職しました。その後、結婚を機に退職し、イギリスで学んだことを活かしたいと思い、幼児から社会人向けの個人レッスンの塾を開きました。

• 1996年　The Isle of Wight College、Childhood Studies専攻
• 1998年　同校卒業
• 1997年～98年　The Isle of Wight College、Adult Education、 JAPANESE CLASS講師
• 1998年～2003年　宮崎イングリッシュキンダーガーデン　幼稚園教諭
• 2003年～2018年　個人レッスンクラス開講（幼児～社会人向け）
• 2018年　KIGURUMI.BIZ株式会社入社、営業部　海外営業担当。現在に至る

友人が「SNSで『英語を話せる人を募集している』と見かけたよ」とつないでくれたのがきっかけです。面接のとき、着ぐるみを海外へ 輸出をする業務もあるので「貿易実務を勉強してほしい」とのことで入社後に受講しました。
仕事は、諸外国の顧客からの問い合わせ対応や輸出サポート、契約書・知的財産等の法務サポートまで扱います。製作前の打ち合わせでは、着ぐるみ製作の状況を顧客に細かく伝えます。私が製作状況を理解しないと伝えられないので、必ず製作チームと一緒に工程を確認しています。

海外の顧客とのやりとりの中で、気にかけていることは「文化の違い」です。商習慣の違いがあり、「かわいい」の基準の違いもあります。イラストをもとに着ぐるみを作りますが、中に入る人の安全面も考えて提案するときに、イメージを壊すことなく提案しても、なかなか理解してもらえないこともあります。スタートするまでには丁寧なコミュニケーションが必要です。

私は、海外の会議の時間に合わせ、時差が生じるので特殊な働き方になります。主なやりとりはSNSやメールになり、労働時間の枠で、顧客に満足していただけるよう心がけています。海外とのやり取りは、とくに時間を守っていこうという当社代表の想いがあり、改善する点など、十分に話し合い相談しています。

花が好きで、生花の後にドライフラワーを作ることや、娘が合唱団に入っており、いろいろな曲をギターで弾くのが好きなので、私も一緒に音取りをしたり、歌声を聞いたりする時間を楽しんでいます。

仕事では、コロナ禍が収束したら、イベント開催や受注も増えてくると思うので、いままで納品している国内外の顧客には連絡を取りながら対応していき、新しい顧客との出会いも大切にしていきたいと思っています。特に海外では、口コミの影響力が大きいと感じています。SNS等を通じて、「ここにいるよ！」と存在をアピールし続けることを大切にしています。

プライベートでは、教育に関してとくに関心をもっています。いろんな子どもたちに対して、取りこぼしのない教育の大切さをひしひしと感じています。将来、退職したらニーズのある子どもたちや保護者の方々の支援をしていきたいと思っています。SDGsで平等な教育の大切さが強調されるときだからこそ、何か私にもできることがないかと考えています。娘が小学生のときに学校に付き添う必要があったので、私は教室の中でほかの生徒のサポートもしていました。こういう役割を担う人が地域に増えていったら嬉しいと思います。

最初の一歩はとても勇気がいることだと私も身をもって経験しております。勇気を出して、自分が一歩踏み出せば、少しずつ見える景色が変わっていくことも体験しています。
少し先の未来を想像して、踏み出す勇気にしてほしいと願っております。