可能性は無限大!

美郷町

結婚を機に家業の農林業を継ぎ、家庭との両立に努めています。
当初は、主に椎茸と木炭生産が主体の家内労働でしたが、現在は林業事業体として、従業員を雇って経営しています。
所属している美郷町北郷女性林業研究グループでは、林地残材を活かした木工製品製造販売に取り組んでいます。
現在このグループの会長を務め、その流れで県の林研グループ連絡協議会の副会長、全国女性林研グループ連絡協議会の理事、また宮崎県国土利用計画審議会の委員を務めさせていただいています。
林業に携わる私たちだからこそ、多くの方に日本の木である杉の魅力を伝えていきたい、杉に限らず山の魅力を広く伝えていきたいという想いで活動しています。
また、特定非営利活動法人「郷の息吹」を運営し、林業の分野のみならず、人や物をつないで広く社会貢献できるよう、地域の産業振興や、所得向上を目指して、奮闘を続けています。

数年前に私は乳がんを宣告され、手術を受けました。この入院をきっかけに、改めて、これまでの生活、これからの生き方について考えました。妻・母などの役割に振り回され顧みる余裕もなく、理不尽さに気付いたとしても、無理矢理自分を抑え込み流されてきたこと。 家族に対しても地域や周囲の環境に対しても不平ばかりが募り、仲間を見つけては愚痴を言い合い、理想とは裏腹にすさんでいく心に嫌気がさしながらも、現実は何一つ変わっていない、そんな現状に気づきました。
自分の歩んできた道を誇れるようになりたい!
もっと、ワクワクした夢を持ちたい!
そして、その夢を仲間と共有し、実現したい!
そんな想いを抱くようになってから、自分の気持ちを素直に話せるようになり、いろいろな活動に取り組む姿勢も変わってきました。また、実際に行動してみることで新たな気づきや仲間が増え、更に夢がひろがっています。

1.林家としての取り組み
結婚を機に義祖母、義父母と同居し、家業を手伝うようになりました。
夫の実家は、椎茸と木炭生産が主体の米やお茶も作る兼業農家でした。私の実家は商店を営んでおり、農林業の経験は全くなく、何もかも初めてのことばかり。結婚と同時に、山や田んぼや畑仕事、わけもわからぬままに地域の婦人会や林研グループにも入会。覚えることだらけで、それらを習得すればするほど、私の負担は増え続けていきました。
どこか違和感を抱きつつも、これが私に与えられた“務め”・“役割”だと思い家事や子育て、また家業の仕事の両立に明け暮れました。
~経営転換期~
義父が亡くなり、足手まといだった私が一通り山の仕事を覚え、夫と二人で山に通う体制にようやく慣れてきた頃、3 歳の長男に病気が見つかりました。一年の半分は入退院の繰り返し、片道3時間の大学病院への通院も必要となり、入院する時には個室になるため病室に付き添いが必要です。そこで、私の分の作業を補うために従業員を雇うようになりました。
また、手作業だった素材生産業に重機等を取り入れ、効率化を図りました。今では珍しいことではありませんが、当時の美郷町では画期的で、遠巻きに注目を集めました。
~小田林業の今とこれから~
現在、事業体は家族を含め 11 名の従業員がいます。従業員たちは、農業・椎茸栽培など各家業も抱えています。私の役割は経理事務ですが、従業員と密にコミュニケーションを図り、各家庭内の事情や家業の状況も考慮して勤務体制の調整等も行っています。
こうした従業員の働きやすい職場環境づくりの実践を続けてきたこと、そして、山林所有者の想いをくみ取り造林等の施業を一環して責任を持って請け負うことが、事業体自身への評価へとつながってきているのだと思います。
これからも、支え合いながら収益を上げる事業体づくりを目指しています。
2.林業研究グループでの取り組み
全国には約1,500の林業研究グループがあり、それらのグループを取りまとめる各都道府県の協議会、さらに協議会どうしを取りまとめる全国林業研究グループ連絡協議会があります。
私が所属している美郷町北郷林研グループは、森林づくりの技術や経営改善、地域づくりや 交流など森林・林業にかかわる活動をする自主的なグループです。
平成29年の10月には、林業研究グループの九州大会が宮崎県で開催される予定で、代表として私が活動発表をさせて頂くことになりました。
~美郷町北郷女性林研グループの紹介~
平成7年、北郷村(現 美郷町北郷)林研グループから、女性の視点を生かした活動を行うため、(旧)「北郷女性林研グループ」を発足させました。
当初は、活動として地域の産物を送る、加工する等の試みも行いましたが、思うように至らず、男性林研に付属する名前だけの組織でした。
とりたてて目立った成果が上げられない中、平成16年に、まずは自分たちで製品が作れるようにと、木工を学ぶ機会を設けました。
そしてその中から、廃材の杉板等を利用したビー玉ゲームの『ぼけない君』の販売がスタートしました。
最初は女性だけの林業グループが作ったという事が珍しくもあり、ネーミングの奇抜さやゲームのおもしろさでも注目されました。
ところが、販売もまともに経験したこともないメンバーばかりで、先々の事などほとんど考えずに販売をスタートしたため、思いもよらない失敗や問題が次々に起こりました。何しろ木工を習い始めたばかりだし、物産販売の経験も乏しく、しかもメンバー全員が本業を別に持っています。せっかく販売に漕ぎつけた商品でしたが、何度も生産中止やグループ解散の危機に陥りました。
しかし、その都度メンバー同士で話し合い、改善を繰り返し、現在も北郷女性林研グループ作業所「ぼけない君工房」にて『ぼけない君』の製造販売を続けています。
3.NPO法人『郷の息吹』としての活動
林研グループとは別に、特定非営利活動法人「郷の息吹」の理事長も務めています。この団体は美郷町全体の町づくりの推進や、学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動、里山整備など環境の保全を図る等の活動を目的としています。
~活動の内容と狙い~
全国的に年々深刻化している後継者不足による山林放棄地や獣害被害の増加。特に、手入れがされず荒廃しきった竹山は、里山の風景を変えつつあります。
郷の息吹では、その竹を活かして竹灯籠を作り、様々な行事等に合わせて提供しています。これは、一般的な竹に穴を開けるだけのものでなく、四季の草花や家紋、昔話を題材に竹を加工したもので、年代を問わず楽しんでもらい、日本の良さを再認識してもらえる事が狙いです。
更に、移住定住促進事業として町内にある古民家を提供し、美郷町での短期模擬生活を体験していただく「美郷町お試し滞在プロジェクト」の取り組みも始めています。
4.「ひなたもりこ」の立ち上げ
また、平成 28 年に発足した宮崎県の林業に関心のある女性たちが集まる会「ひなたもりこ」の世話人の一人として、立ち上げから携わっています。
この会は、多くの人に森に少しでも目を向けてもらいたい、気軽に森林活動に参加してもらいたい、横のつながりを広げていきたい、林業先進地である宮崎県で、森を守り、盛り上げていきたいという想いを込めて発足したものです。
男女の枠に囚われず、林業・農業・漁業、いろんな職業、人をつなげたい!
特に、一次産業に携わる人々の「働く喜び」や、「作る楽しさ」を再確認できるよう、好きな事・得意な事が所得につながる仕組み作り、田舎と都会が繋がるためのネットワークづくりを行って行きたい!
「こうなるといいのに。」と思っているだけでは、現状は何も変わりません。
一歩踏み出してやってみると、案外実現できるもの。
元来、女性は段取り上手で仕事ができます!
だって、仕事も家事も育児もこなしてきているのだから。
もっと自分に自信と誇り思って!
女性のパワー・影響は果てしないですよ。
林家
※林家とは、林業を営んで生計を立てている世帯のこと
この方と直接会って、経験談やアドバイスを聞くことができます。